虹いろ図書館のへびおとこのお話
先日、本を一冊読み終えたので紹介したいと思います。
タイトルはこちら↓
「虹いろ図書館のへびおとこ」
著者は櫻井とりおさん。第1回氷室冴子青春文学大賞を受賞したデビュー作になります。
あらすじ
ささいなトラブルがもとで、六年生のほのかは転校先の学校に行けなくなった。
家族に心配かけないためランドセルを背負って街をさまようが、心休まるひまはない。
そんなほのかがたどり着いたのは、おんぼろの図書館だった。
そこには「へびおとこ」と呼ばれる司書がいた。
やがてほのかは、へびおとこの策略に引っかかり、図書館の仕事を手伝うはめになる。
美人のうつみさんや、カトンボ館長、そして書庫の奥にいる謎の少年・スタビンズたちと過ごすうち、ほのかはだんだん居心地の良さを感じ始めるのだが……。
こちらの本は所謂児童文学になります。高学年向けの読み物ですね。
ですが、是非とも大人にも呼んでもらいたい一冊になっております。
実は私、このお話を読んだのは今回で初めてではありません。
ネット小説投稿サイトで書籍化する前の作品を一度読んでいます。
普段は一度読んだ作品を再度読み返せない私ですが、この本は二回目でも全く気にならずに読み進めてしまいました。何度読んでも面白い作品です。
感想になりますが、まず真っ先に浮かぶ言葉は心が満たされた、ですかね。
主人公、ほのかの視点で進む物語は基本的に子どもの視点で描かれているのですが、作中のトラブルの描写などは読んでいて胸が締め付けられますし、だからこそ、図書館という居場所が出来たときの充足感も大きいです。
わたしもこんな居場所が欲しかった、とほのかが羨ましくなります。
そしてなんと言ってもへびおとこであるイヌガミさん。この小説は第二弾、第三弾とシリーズになっているのですが、その全てに彼が登場します。
自分の立場が悪くなっても子どもを庇い、守ってくれる、そんな大人です。
私は未だ他の虹いろ図書館シリーズを読めていないので詳しいことはわかりませんが、今回の題は「虹いろ図書館のへびおとこ」。他のシリーズよりもイヌガミさんについてクローズアップされているものだと思っています。
子どもを守ってくれる理想の大人としてだけでなく、等身大の彼に物語の中で会えるので是非読んでもらいたいです。
辻村深月さんも絶賛のこの作品を、どうぞ宜しくお願いします。